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看護基盤開発学

Nursing infrastructure development

看護基盤開発学の特徴

看護基盤開発学領域は、2つの目標を設定している。1つ目は、看護実践の本質を探究し、看護学の理論的基盤の構築を目指すことである。その探究においては、看護の理論と実践の関係を捉え直す作業が不可欠であるが、その際にフィールドに立ち戻ること、すなわち抽象的論理的思考に留まることなく、流動変化する個々の具体場面との関連を重視する。さらに、人間的営みとしての看護という日常性の全体論的文脈と、個々の事象を経験科学的に明らかにしようとする分析的文脈を重ね合わせ、統合の道筋を見出していく。研究の方法論としては、論証のみではなく、看護実践のフィールドワーク等を通した例証、実証を含むアプローチをとる。
2つ目は、変化する社会の要請に応える看護の組織化のあり方とそれを支える看護職者のキャリア開発を追究することである。併せて行政をはじめとするさまざまな機関における看護政策の策定やその評価、および新しい看護職者の機能や組織化に着目し、看護政策の開発につながる研究を目指す。
本領域には、看護を歴史的に捉えなおし、理論的系譜ならびに実践の変遷の意味から、看護の本質に迫り、さらに技術という観点から看護とは何かを探究する「基礎看護学特論」、看護提供とその評価に関するさまざまなレベルにおける組織化を理論的実践的に探究する「看護政策・管理学特論」、個人及び組織の視点から専門職としての看護職者のキャリア開発を探究する「看護キャリア開発学特論」、グローバルヘルスと災害リスク削減に資する看護基盤を探求する「グローバルヘルス・災害看護学特論」の4つの特論をおく。そして、これら特論での成果を博士論文に向けて発展させるための「看護学特別研究」をおく。

専攻

研究指導可能内容

  • 看護サービス提供をめぐる制度と政策に関する研究
  • 看護サービスの質評価、質保証に関する研究
  • 看護職者の継続教育や賃金体系など人事労務管理に関する研究
  • 看護職者の職務満足や労働安全衛生やWLBなど労働の質に関する研究

※2024年度は募集を行いません

研究指導可能内容

  • 看護基礎教育の内容や方法に関する研究
  • 看護継続教育、人材育成等の内容や方法、プログラム開発に関連する研究
  • 看看護職のキャリア開発に関する研究

研究指導可能内容

  • 災害リスク削減のための看護的アプローチの開発
  • 健康危機管理に関わるコミュニケーションとケアに関する研究
  • 災害リスク削減とグローバルヘルス向上のための研究
  • SDGs達成にむけたリスク社会の構造と看護の変化に関する研究

担当教員の一覧

学⽣の声

授業以外にも多くの学びの機会があります看護学研究科 / 博士後期課程 / 看護実践開発学領域2年生 Sさん

訪問看護師として働く中で、重症児の母親を支えたいと考えるようになり、他大学の前期課程で重症児の母親の実態を調査しました。その後、テーマを多重介護に広げ、大学教員に転職していちかんの後期課程へ。指導教員の二宮啓子先生には「社会にとって必要であなたの経験があってこそできる研究」と背中を押していただくとともに、思うように進められない時には学生のペースに合わせて伴走していただき感謝するばかりです。OBや関係機関を交えた勉強会を定期的に開いてくださり、最新の情報を得る機会にも恵まれています。また、大学院全体で年2回、学外から講師を招いての特別講演もあり、他の大学院では聞けないような各分野の第一人者のお話に毎回感銘を受けています。