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学長挨拶

学長 江川 幸二
学長 江川 幸二

神戸市看護大学は1996年4月に、前年の阪神・淡路大震災からの復興への願いを込め、地域社会の保健・医療・福祉に貢献できる看護専門職の育成を目指して開学した看護の単科大学です。現在は大学院看護学研究科も開設していますが、単科であることに変わりはありません。複数の学部を有している大学とは異なり、小規模ではありますが、単科だからこそ学生同士あるいは教職員と学生が近い距離感で、きめ細やかに接することができるアットホームな雰囲気をもっています。また、地域に根ざした大学として、日本学術会議が提唱した「地元創成看護学」の考え方をカリキュラムに取り入れるとともに、担任制度や修学支援、就職・キャリア支援などの学生支援にも力を入れています。

また本学の教育理念のひとつに「創造的想像力」の育成があげられています。「創造的想像力」とは、看護実践に不可欠な、人間の存在や経験の意味を洞察することができる力です。具体的には、豊かな感性と人の尊厳を尊重する姿勢で看護の対象となる人と接し、相手が感じ考え、経験していることを共感的に感じ取ることができる能力です。これは相手の立場に立って考えることが求められる看護にとって重要なものですが、それを身につけられるような教育を常に心がけています。

近年、対話型AI、あるいは生成AIといわれる人工知能テクノロジーの急速な進歩が連日のように話題となっています。これは、今後の社会に大きな変革をもたらすものと考えられ、ヘルスケアシステムも、こうしたテクノロジーの飛躍的な進歩によって大きく変化し、より便利になっていくことが予測されます。看護専門職として、私達はこうした変革にうまく対応し、より質の高い看護を目指して研鑽していくことが求められます。しかし、こうしたAIテクノロジーを看護の中に取り込んだとしても、看護独自の機能であるケアリングの本質を忘れてしまうと、病む人に寄り添い、語りかけ、心身を癒すという看護の専門性が脅かされることになります。看護の本質とは何かを、改めてこうしたAIの劇的な進歩によって考えさせられる時代になったことを強く感じています。

こうした時代だからこそ「創造的想像力」を大切にする本学で、看護のアイデンティティとは何かを学び、その魅力と面白さ、奥深さを感じていただければと思います。皆様の成長を教職員一同、一丸となって支援するとともに、魅力的な大学を創って参りますので、看護学を学ぶ志を持つ多くの方をお待ちしております。

学長紹介

学位

  • 博士(看護学)

学歴

昭和57年3月神戸商科大学商経学部経済学科卒業
平成元年3月神戸市立看護短期大学第1看護学科卒業
平成12年9月東洋英和女学院大学大学院人間科学研究科人間科学専攻修士課程修了
平成25年3月兵庫県立大学大学院看護学研究科博士後期課程治療看護学専攻修了

職歴

昭和57年4月セコム株式会社
平成元年4月東海大学医学部付属病院ICU・CCU看護師
平成7年4月東海大学健康科学部看護学科助手
平成11年4月東海大学健康科学部看護学科講師
平成14年4月神戸市看護大学助教授
平成22年4月神戸市看護大学教授
平成31年4月公立大学法人神戸市看護大学理事(学部長・研究科長兼務)

所属学会

日本看護科学学会(評議員)、日本看護学教育学会、日本クリティカルケア看護学会(理事・監事)、日本救急看護学会(理事)