授業の概要
- 日時:2014年11月10日(月)
- 対象学生:2年生
- 教育ボランティア参加者:1名
- 担当教員:池田
地域の住民様のなかには糖尿病や高血圧、心臓病、がんなどの慢性疾患とつきあいながら、日々家族のケアやお仕事を続けておられる方が多くおられます。慢性病看護では、病気をお持ちの住民様が、これらの慢性疾患とどのように向き合い、指示された療養法を生活のなかで実行されているのか、また病気の状態や経過をご自身でどのように把握し、危険な状態に陥る徴候をどのように見極め受診されているのか、医療者との付き合い方などについて、発症からこれまでの体験を聞かせて頂くことを通して、病いと生活、病いと人生について考えを深めることをねらいとしています。
今年はお一人に来て頂き、十二指腸潰瘍と生活との折り合いについて40分程度講話して頂きました。この方は20代で病気を発症され、50年余り十二指腸潰瘍と付きあってこられました。この間、何度か危機的な状態に見舞われたこと、この病気は性格や仕事の内容と密接に関連しているためコントロールが難しいこと、ピロリ菌の除去で劇的に症状が改善したこと、医師との関係、家族との関係について語られました。
最後に最近の入院経験を通して、看護師に期待すること(的確に医療処置を行い、患者の不安を和らげてくれる頼もしい看護師さんと癒しをもたらしてくれる看護師さんの両方の要素が必要)を実直に語られました。
講義を聞いた学生の感想には、「自分の病気を知って、きちんと付き合っていることを知って驚きました」「教科書には書いていない貴重な体験を教えて頂き、深く学ぶことができました」「家族は少し離れて見守ってくれる程度がよい場合があることがわかりました」など、多くの気付きがみられました。今回は病院での実習の経験がまだ少ない2年生なので体験談を通して、学生たちの慢性病者の理解はとても深まったと思います。
授業の様子