佐藤智夫先生、角田響介先生、関口瑛里先生、石関美津子先生、岩浪睦先生、赤松由希絵先生が執筆した論文が、国際誌Cureusに掲載されました。この研究は、“スコーピングレビュー”という手法で行われ、看護師の心理的安全性と燃え尽き症候群との関連について、これまでの研究結果をまとめたものです。
看護師の40%以上が燃え尽き症候群に悩んでおり、これは世界的な問題となっています。心理的安全性とは「チーム内で安心して意見を言える環境」のことで、燃え尽き症候群を防ぐ効果があると考えられていますが、両者の関係性について、同時に包括的に調査した研究がありませんでした。
今回の研究では、研究データベースから1,021件の研究を検索し、条件に合う6件の研究を選んで分析しました。その結果、心理的安全性が高い職場では、看護師のバーンアウトが少ないという一貫した関係が見つかりました。特にリーダーシップや職場環境が重要な要因として確認されました。つまり、心理的安全性の向上が、看護師のメンタルヘルスや職場定着に重要な役割を果たす可能性があるということです。
本研究は、看護職の働きやすい環境づくりや、医療現場におけるチームの質の向上に貢献するものとして、今後の実践や政策への応用が期待されています。
複数の助教で、共通の臨床疑問であるバーンアウトと心理的安全性の関係についての研究に取り組みました。先生方と協力して、取り組み始めて約半年で論文を掲載することができました。
佐藤 智夫(療養生活看護学領域 急性期看護学分野)
「論文掲載ページ:https://www.cureus.com/articles/402966-psychological-safety-and-burnout-in-nurses-a-scoping-review#!/(Cureus)(英文)」