専門基礎科学領域・医科学分野の谷知子先生が責任著者を務めた論文が医学雑誌「Echocardiography」に掲載されました。これは、神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技師である鳥居裕太氏がmitral annular disjunction (以下MAD)についての研究を行い、論文として発表したものです。
MADとは病理学から提唱された概念で、annulo-ventricular disjunctionすなわち左室後壁と僧帽弁付着部にあたる弁輪線維部が伸展する部位のことです。 MADは正常な方でも認めますが、僧帽弁逸脱症やBarlow症候群の方に多く認められます。また、近年arrhythmic mitral valve prolapse (不整脈を伴うMVP)との関連において注目されています。
🔗 論文掲載ページ:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/echo.70274(Echocardiography)(英文)
私が神戸市立医療センター中央市民病院で勤務していた頃、MADはまだ注目されていませんでした。そのような時期から臨床検査技師の方とMADについての研究を行い、論文を発表してきました。近年、やっとMADが脚光を浴びることとなり世界的に研究が進められています。
谷 知子(専門基礎科学領域 医科学分野)