骨の健康を守るために、私たちは何を意識すればよいのでしょうか?
神谷訓康先生(専門基礎科学領域)が参加した研究では、日本の閉経後女性を対象に、牛乳の摂取頻度と血中のビタミンD(25(OH)D)濃度が骨折リスクにどう関係するかを、20年間にわたる追跡調査から検証しました。
調査対象となった1,209名のうち、ビタミンD濃度が低く(15ng/mL未満)、牛乳をほとんど飲まない(1杯未満/日)女性は、骨折のリスクが高いことが明らかになりました。一方で、ビタミンD濃度が十分な女性では、牛乳の摂取頻度と骨折のリスクとの関連は見られませんでした。
この結果から、ビタミンD不足の改善と牛乳の習慣的な摂取が、骨折予防に役立つ可能性が示唆されています。日々の食生活が、長期的な健康に大きく影響することを改めて考えさせられる研究です。
🔗 論文掲載ページ:https://link.springer.com/article/10.1007/s00198-025-07577-z(Osteoporosis International)(英文)
🔗 JPOSコホート研究ホームページ:https://www.ompu.ac.jp/u-deps/hyg/JPOS_Homepage/index.html
私の前任校である大阪医科薬科大学で実施した研究成果を、論文として発表できたことを嬉しく思います。今後も、病気やケガの予防に繋がる研究を続けていきたいです。
神谷訓康(専門基礎科学領域 健康科学分野)